労働力調査からみて、正社員は増えているのか減っているのか
2015年の労働力調査詳細集計について、「安倍政権の3年間で正社員が23万人減り、非正規が172万人増」という報道(しんぶん赤旗2016年2月17日)がある一方、「正社員が8年ぶりに増加した」という報道(正社員8年ぶり増 15年労働力調査、26万人増 待遇改善で人材確保 :日本経済新聞)もある。
よくわからないので、労働力調査詳細集計の長期時系列データからグラフを作成し状況を確認した。
正規雇用者数の動き
グラフでみると、4半期ごとの正社員数は2007年ごろから減り続けてきたが、2014年1−3月期を底として、それ以降増加傾向にあるようにみえる。
報道では、2012年10-12月期(赤線で示す)と比較して2015年10-12月期は23万人減少と指摘しているが、それ以前の3年間に100万人近く減少していたことをあわせて説明しないと誤解を招きやすいので注意が必要だ。
正社員増が望ましいのであれば、むしろ安倍政権を賞賛すべき動きにみえる。
非正規雇用者数の動き
同様に非正規の動きをみると、過去5年ほどはずっと増加を続けているが、2014年ごろから増加の勢いがなだらかになっているようにみえる。
雇用者数(正規+非正規)の動き
ついでなので、正規と非正規をあわせた雇用者数の推移をみると、2012年ごろまで足踏み状態だった雇用者数は、2012年10-12月期(赤線で示す)以降ずっと直線的に増加を続けているようにみえる。
以上。